ホスピスケアが必要となった患者さまにとって、一番心の落ち着く場所はどこでしょうか?ご自分の家がいい人もいれば、ホスピスが良いといわれる方もいます。家とホスピスを行ったり来たりすることを望まれる方もおられます。つまり、痛みや辛い症状に早く対応してもらうためにホスピスに入院し、落ち着いたら、すぐ家に帰るのが良いという方も多くおられます。・先進的取組み私たちは、患者さんやご家族が、その時点で過ごしたい場所で過ごせることを実現したいと考えています。ホスピスケアは大病院にあるような大掛かりな機械を使って行う医療ではありません。ご自宅で行う在宅ホスピスでも、ホスピス入院でのケアと同じ内容のサービスが可能です。私たちは同じ医師による訪問診療、訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護など、在宅ホスピスのシステムも持って対応しています。介護の必要な方でも、朝、家に帰りたいと望めば、夕方には家で過ごされることもできるのです。これが当院が先進的に取り組ませていただいている、入退院のフレキシブル対応です。
・感謝
・ホスピスとは
ホスピスには長い歴史があります。遠い昔、ヨーロッパのキリスト教社会でホスピスは巡礼者の宿として始まりました。巡礼者のいない時は、病気の人やお年寄りの介護もしました。病気や老衰で亡くなる人には看取りの場となりました。その時、お世話をしたのが修道女の方々でした。ホスピスはこの世から天国へと橋渡しをする場だったのです。・当院の使命
当院のホスピスも、この世から、あの世という目に見えない世界への橋渡しをするためにあります。私たちの本質は身体ではないと思います。身体は乗り物で、その運転手が私たち自身です。身体は乗り物ですから、古びていきますし、病気や怪我という故障もします。数十年で寿命が来ます。でも、私たちはその運転手。そう、心であり「たましい」です。たましいは身体が活動を止め、死んでしまうと体から離れ、見えない世界へと旅立ちます。
・そして天国へ
見えない世界は霊界と呼ばれる広大無辺の世界ですが、大きく分けて天国と地獄があるようです。ホスピスの最終的な役割は、来てくださった人たちに地獄ではなく天国へ(あるいはお浄土へ)還っていただくこと。私たちの生まれ故郷である天国へ帰ることは、決して不幸なことではありません。(子供たちの目を見てください。地獄から生まれ変わってくる子はいないことがわかります。)健康な人も、病気の人も、毎日着実に近づいてくる「死」について、考えてみてください。死ぬ人がいるから、新しく生まれ変わってくる人がいます。「転生輪廻」を信じましょう。この世にあとどのくらい居られるのか。いわゆる余命はご自身が一番分かるようです。余命を悟ったら、一日一日をどう使おうと思うでしょうか。是非、天国へ帰るために、心を磨いて過ごしたいものですね。
高知厚生病院のホスピスとはこんなところ